歯周病はどのように進行するか
食べかすと細菌が歯垢(プラーク)を形成し、数日で石灰化して歯石になります。細菌は歯肉の下へと広がり、歯肉が炎症を起こして退縮し、歯根周囲の骨が溶かされ、最終的に歯がぐらついて抜け落ちます。この過程で飼い主さんが外から見えるのは歯石と口臭だけで、最も深刻な部分は歯肉縁の下で進行しています。
症状
- 口臭
- 歯肉の赤み・腫れ、出血
- 黄褐色の歯石
- 食べるのが遅くなる、片側だけで噛む、柔らかいフードしか食べない、食べ物をこぼす
- よだれが出る、前足で口をひっかく
- 顔の腫れ(歯根膿瘍)
- 猫:歯の吸収病巣により、突然の痛みで飛びのくことがある
なぜ麻酔が必要なのか
意識のある犬猫は、歯肉の下の歯石を削らせてくれませんし、歯科レントゲンの撮影もできません。「無麻酔の歯石除去」は表面の歯石を削り取るだけで、歯肉縁の下の病変にはまったく対処できず、しかも動物に強い恐怖を与えます。全身麻酔下であれば、次のことが可能になります:
- 1本ずつ歯周ポケットの深さを測定する
- 超音波スケーラーで歯肉縁の上と下を清掃する
- 研磨(ポリッシング)を行い、歯石の再付着を遅らせる
- ぐらついた歯や病変が重い歯を抜歯する
- 麻酔前検査として血液検査を行い、処置中は心拍数・血中酸素・血圧を常時モニタリングする
どのくらいの頻度で行うか
犬種・猫種や口腔内の状態によって異なります。小型犬、短頭種の犬、高齢猫は通常 1〜2年 に1回です。ご来院のたびに口腔内をチェックし、歯石の蓄積で歯肉に炎症が出ていれば、それが処置のタイミングです。
処置当日
- 処置前は8〜12時間絶食してください
- 午前中に入院し、午後にはお帰りいただけます
- 抜歯を行った場合は、数日間は柔らかいフードを与え、鎮痛薬と抗生物質を時間どおりに投与してください
- 1〜2週間後に再診でチェックを受けてください
自宅での予防
- 歯磨き:毎日、または最低でも週3回、ペット用歯磨き粉を使ってください。まずは歯肉を拭くことから始め、少しずつ慣らしていきましょう。
- デンタルフード、デンタルガム、飲み水用の添加剤:効果はありますが、歯磨きや歯石除去の代わりにはなりません。
- 年に1回は口腔内のチェックを受けてください。
費用
体重、歯石の程度、抜歯の本数によって異なります。麻酔前検査の後に書面でのお見積りをお渡しします。麻酔下で追加の抜歯が必要と判明した場合は、まずお電話でご確認を取ります。